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ここでは1箇月単位の変形労働時間制について説明させていただきます。
1箇月以内の一定の期間を平均して週の労働時間が法定労働時間内であれば、特定の日、特定の週について法定労働時間
を超えて労働させることができるものです。なお、一定の期間を暦月など7で割れない数字で定めた場合には、法定労働
時間は下記数式により求めることになります。
法定労働時間=40h(一部の事業では44h)÷7×一定の期間内の日数(小数点2桁以下切り捨て)
※ 1箇月単位の変形労働時間制では法定労働時間の特例(週44時間)の適用ができます。
1箇月単位の変形労働時間制を用いるためには、以下のいずれかに定めをし、労働者に周知をすることが必要です。
〇 労使協定
※ 所轄労働基準監督署への届出が必要です。また、労使協定は、労使協定に基づいて労働者を労働させても
労働基準法による罰則を受けないという免罰効果を有するだけで、実際に労働者を労働させるには就業規則
などへの記載が必要です。
〇 就業規則その他これに準ずるもの
1箇月単位の変形労働時間制を用いるためには、以下の事項を定めなければなりません。
〇 1箇月以内の一定の期間及び期間の起算日
〇 期間内における各日及び各週の労働時間
※ 業務の実態から各月ごとに勤務表を作成する必要がある場合は、直近の月の各日及び各週の労働時間のみ
定めておき、それ以外の月は勤務表の作成手続きや周知の方法などについて定めておき、期間開始前までに
各日及び各週の労働時間を定めればよいとされています。
〇 対象労働者の範囲
〇 労使協定の場合、労使協定の有効期間
※ 有効期間は3年以内が望ましいとされています。
参考 運輸交通の事業において、列車、気動車又は電車に乗務する労働者で予備の勤務に就く者(急な欠勤者が
出た場合などに対応するため待機している者)については、一定の期間を平均して法定労働時間内であれば、
週又は日を特定することなく法定労働時間を超えて労働させることができます。
以下の労働者については、1箇月単位の変形労働時間制を用いる場合には、制限があります。
① 妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性で申出があった者
特定の日、特定の週について法定労働時間を超える定めをしていても法定労働時間を超えて労働させることは
できません。
② 義務教育を終了前の者
1箇月単位の変形労働時間制を用いることはできません。
③ 義務教育を終了後の者で満18歳に達するまでにある者
1日について8時間、1週間について48時間を超えない範囲内で労働させることができます。
1箇月単位の変形労働時間制を用いる際の時間外労働の考え方は下記の通りとなっています。
① 1日については、労使協定又は就業規則その他これに準ずるものにより8時間を超える時間を定めた日はその
時間、それ以外の日は8時間を超えて労働した時間
② 1週間については、労使協定又は就業規則その他これに準ずるものにより週法定労働時間(40hまたは44h)
を超える時間を定めた週はその時間、それ以外の週は週法定労働時間(40hまたは44h)を超えて労働した
時間(①で時間外労働となる時間を除きます。)
③ 労使協定又は就業規則その他これに準ずるものにより定めた期間内については、期間内における法定労働
時間の総枠を超えて労働した時間(①又は②で時間外労働となる時間を除きます。)